
こんにちは!ROAD OF STYLEブログ管理人のYuukiです。
数あるお洋服の中で、最も男性を魅力的に見せてくれる「スーツ」
初めて着た時はルールもスタイルもわかっていなかったけど、 歳を重ねるごとに不思議と着慣れていくものですね。
昔の自分のスーツを見ると恥ずかしくなる事だらけですが、あの時はこんなスタイルが好きだったんだと懐かしさも感じます。
僕はスーツを着るようになって13年ちょっと。
既製品ではサイズが合わないので、10年くらいオーダースーツを愛用しています。
今日は機会があってスーツを久しぶりに着用したので、振り返りも兼ねて簡単に紹介させて頂きます。
これからオーダースーツを注文される方や、 体型補正について学びたい方の参考になるよう、オーダースーツの利点である「体型補正」について解説します。
この記事ではスーツの見映え・着心地に最も影響しやすい「なで肩・いかり肩」の見方を説明していきますね。
体型補正とは
これはスーツの形を「着用者の体型に合わせる為の型紙操作」のことです。
例えば
- なで肩
- いかり肩
- 反身体(はんしんたい)
- 屈伸体(くっしんたい)
といった補正が代表的です。
これらの補正を入れていく事で、着用者の体型に合うスーツを作る事ができるのです。
人によって動作の癖や利き手利き足、ライフスタイル等が違いますので、当然体型も異なってきます。
たとえ同じ身長・体重であっても、猫背気味の人もいれば、ビシッと胸を張ったたくましい体型の人もいるわけです。
既製品のスーツは、お店が作った型紙で「すでに」仕上げられている為、個々人に合わせた補正が入っていません。
ですので「着心地はまあまあいいけど、見た目が納得いかない」といった事が起きてしまいます。
オーダースーツは体型補正を入れる事ができるので、
- 着心地の向上(例:軽く感じられる、着ていてラク、動きやすい)
- 見た目を美しくする
- 長時間着用していても疲れにくい
といったメリットのあるスーツを作る事ができます!
それでは、写真で肩周りのフィット具合を見ていきましょう!
①正面肩周りの観察

まずは正面の全体写真から。
僕は身長173cm、体重55kgの痩せ体型。体型の悩みは大きく曲がったO脚です(いや~お恥ずかしい^^;)
上半身と下半身の適正サイズが離れており、既製品ではサイズが合いません。
参考に上半身は42サイズ、下半身はヒップが大きくて46サイズ。
もし既製品を買うなら、44サイズで上下共に妥協しなければ着られません・・・

上半身だけに注目してみましょう。
僕は体格を良く見せたいので、ジャケットは肩パットも芯地も入っております。

肩パットも芯地も入れたジャケットであれば、極端なシワは出にくいかと思います。
写真では少し斜め向きに立っていますが、ジャケットの裾もキレイに揃っていますね。
②背面肩周りの観察

ではお次は背面の全体写真。
正面がキレイでも、背面に不具合が出てくる事は結構あります。
ところどころシワが入っているのが分かりますか?
これらのシワは、ジャケットが僕の体型に合っていない為に出ているものです。

フィッティングを見る練習も兼ねて、背面の上半身のみの写真。
これかな?と思い当たる箇所は浮かんできましたか?

背面では左右の肩の高さに差が見受けられますね。
右肩と比べて、左肩が下がっています。いわゆる「なで肩」
「ジャケットの肩が」僕の肩よりも高いので、左肩周りの生地が下がっています。
この不具合を解消するには、左肩の高さを少し下げる必要があります。
なで肩補正で解消されるかどうか?
ピンを打って確認し、問題なければなで肩補正を入れます。
※このジャケットにはなで肩補正を入れているのですが、工場で指定できる補正数値以上に僕の左肩が下がっている為、この出来上がりとなっています。
左肩パットだけ分厚いものを入れる方法もあるのですが、左右で肩パットの厚みが違うのはさすがにイヤだったので採用していません。

で、ややこしいのですが、背中右側にも不具合があります。
背中の中心線(背中心)の右側、肩甲骨付近と腰周りにシワが入っています。
いかり肩かな?とも見て取れるのですが、ネックポイント(襟の付け根)の浮きがないので肩の高さは合っています。
これは右肩甲骨周りが発達している為、生地が引っ張られて出た不具合です。
腰周りにまで影響が出ているので、相当張っているのがわかるかと思います。
20代半ばの時に、5kgくらいある鞄を右手でずっと持っていたので、右側だけたくましくなりました・・・
これを解消するには、”右側背面だけ”いかり肩補正を入れる方法が考えられます。
・・・ですが、実際その補正ができるかどうか?が一番の障壁になると思います。
現に僕が使っている工場ではその補正がない為、残念ながら対応できませんでした(30万円を超えるオーダースーツの工場では”背面だけのいかり肩補正”ならありました)
限られた補正項目・補正数値の中で対応していく場合、こういう事例もあるという事です。フィッティングの難しいところですが、おもしろいところでもあります。
少しずつフィッターの目を鍛えていきましょう
肩周りの体型補正について解説させて頂きましたが、いかがだったでしょうか?
写真だけですのでイメージしづらかったかもしれませんが、フィッターがどこを見ているのか?少しでも知って頂けたのなら幸いです。
フィッティングは非常に奥が深いです。
普段からいろんな人のスーツ姿を観察して、これは何が合っていないのかな?と考えるクセが大切です。
僕も初めの内はよくわかっていなかったですし、見当違いだった事も多々ありました。
ですが、そうした試行錯誤も必要だと思います。
「この補正を入れるとこうなるんだ」という実体験こそ、フィッターの目を鍛える最高の経験値ですからね。
だから習慣になるまで、観察→不具合の予測→検証(ピン打ち)を繰り返しやってみて下さい。
フィッターの目が確実に鍛えられていきますよ^^
フィッター初心者さん向けになで肩・いかり肩を解消してきれいな見映えにする補正法(フィッター初心者向け)という記事も書いています。ピン打ち後のアフター写真もあるので、合わせてご覧くださいね。
今日もROAD OF STYLEブログをお読みくださり、ありがとうございます^^