どれがいい?シングル・ダブル・モーニングカット。スーツの裾処理の違いと選び方

こんにちは!お洋服ブロガーのYuukiです。

既製品のスーツを買った時や、オーダーでスーツを仕立てる際、「スラックスの裾はどうされますか?」と聞かれると思います。

シングルかダブルか。はたまたモーニングカットにするか・・・

一般的にはシングルはフォーマル、ダブルはビジネスと言われていますが、改めてそれぞれの違いって何だろう?と思い、少し調べてみました。

 

今回の記事を読んで頂くと3つの裾処理の違いが理解でき、目的に合う裾処理が選べるようになります。

知っている事も多いと思いますが、おさらいの意味も兼ねてご覧頂けますと幸いです。

 

①シングル裾について

裾に折り返しを付けずに仕上げた処理です。

日本ではシングルと呼ばれていますが、プレーンボトムやカフレスストレートカットとも呼ばれます。

トラウザーズ(スラックス)の裾の部分をボトムと言うのですが、一般的にはカフの名で知られています。またカフは折り返しのことも表しているので、シングルはカフレスと呼ぶわけです。

 

本来はフォーマルウェアなどのドレッシーなトラウザーズのスタイルとされています。燕尾服やモーニング、ディナージャケット(タキシード)などのように、元々トラウザーズの裾には折り返しがついていませんでした。

これは今日のスーツの原型となった、ラウンジスーツが誕生した頃の生地に重量感があり、折り返しという発想がなかった為です。現代の生地は繊細な糸で織られている為、折り返しをつけて重量感を出すことで、靴とのバランスを取るようになりました。

尚、現在ではカジュアルトラウザーズにも多く用いられている為、フォーマルウェアを除けば、着用者の体格やトラウザーズのスタイルで選んでも問題ありません。ご参考に英国のスーツは、シングルがスタンダードです。

 

シングルは足元をスッキリ見せ、軽快な印象を与えてくれます。

またトラウザーズを横に遮る線が入らない為、脚を長く見せる効果もあります。

 

どんな場合にシングルを選ぶか

ドレッシーなスタイルとされている点や、足元をスッキリ見せてくれる点を踏まえて、

  • ビジネスと冠婚シーンでの併用ができる無地のダークスーツ
  • 身体を長く見せる効果があるストライプ柄のスーツ
  • コーデュロイやモールスキンのような肉厚な生地のトラウザーズ
  • 比較的に重たいウエイトの生地でスーツを仕立てる時
  • チェルシーブーツ(サイドゴアブーツ)と合わせたい時

こういった場合は、シングルでの裾処理をオススメします。

 

②ダブル裾について

裾に折り返しを付けて仕上げた処理です。

日本ではダブル以外に、かぶらとも呼ばれていますが、正確にはターンナップカフと呼びます。カフレスに対してカフドボトムと呼ぶ場合もあり。

 

元々トラウザーズの裾処理に存在していなかったものですが、雨天時に泥の跳ねあがりで裾を汚さない為に、裾をまくり上げた事から定着しています。

有名な話では英国のある貴族が、ニューヨークで行われた結婚式に参列する途中に雨に遭い、裾を濡らさないように折り曲げて向かった。そして会場に着いたのだが、折り曲げた裾を元に戻すのを忘れたままパーティーに参加してしまう。

しかしそれを見たアメリカの紳士たちが、新しい英国スタイルに違いないと勘違いして、広まっていったそうです。昔のアメリカ人は英国人のスタイルを取り入れるのに躍起だったんですかね^^

 

ダブルは足元に厚みと重量感を持たせることができ、足元に安定感を出す効果があります。またカジュアルな印象もあることから、お洒落感を出したい方が好んで選ぶ傾向があります。

折り返しの幅は裾幅とのバランスで決めるのが良いです。細い裾幅であれば折り返しは太く(例:4~4.5cm)、太い裾幅であれば折り返しは細く(例:3.5cm)すると全体のバランスが安定します。

 

ちなみにダブルの仕上げには、折り返した裾を糸で留める処理と、スナップボタンで留める処理とがあります。

クラシックスーツでは当然糸留めが正統です。上から見るとスナップボタンがきらきら光って見えるからで、英国やイタリアのように目立たぬ色の糸で固定します。

但し、糸留めはブラッシングがしづらくなる為、実用性を考えればスナップボタンを選ぶのも一理あると思います(折り返した裾がスナップボタンで膨らんで見えてしまうのが気にならなければ、ですが・・・)

 

どんな場合にダブルを選ぶか

雨の日に裾を濡らさないように折り曲げた点から、屋外での活動向けとも考えられますが、足元に安定感を出す効果も踏まえて、

  • ビジネスシーンで着用するスーツ
  • 体格を良く見せる効果のあるチェック柄のスーツ
  • ブラウンやオリーブといったカントリーな趣のあるスーツ
  • テーパードの効いたシルエットのトラウザーズ
  • ジャケパンスタイルで合わせる用の単品トラウザーズ
  • Super数値の高い生地でスーツを仕立てる時

こういった場合は、ダブルでの裾処理を選んでみてはいかがでしょうか。

 

③モーニングカットについて

シングルと同様、裾に折り返しを付けずに仕上げた処理ですが、裾線に角度を付けて後方へ斜め下げにするカット法です。

カフレスモーニングカットと呼んだり、プレーンボトムに対してアングルドボトムとも呼びます。

 

昼間のフォーマルウェア、モーニングコートのトラウザーズ(コールパンツ)に施される裾処理にちなんで、モーニングカットと呼ばれます。

欧米では軍礼装にも多く見られ、ドレッシーなトラウザーズの象徴的なデザインとされています。

 

裾線の傾斜は直線的に仕上げ、裾前方と後方とで1~1.5cmの差寸を付けるのが一般的に多いようです。これは裾前方のだぶつきを防ぐ目的(※)で施されます。

これによりトラウザーズと靴との一体感が出やすくなり、裾がスッキリまとまるのが特長です。

モーニングカットは基本的にコールパンツに施しますが、シングルのだぶつきを少し和らげたいという場合に選ぶのも良いと思います。

 

(※)実際に裾前方と後方とで1~1.5cmの差寸を付けても、だぶつきが少し和らぐくらいで”防ぐ”とは言えません。だぶつきを防ぐなら、靴の形や高さにもよりますが、3~4cmの差寸が必要と思われます。この点については引き続き調査を続けていきますね。

 

3つの裾処理の違いまとめ

シングル・ダブル・モーニングカット。それぞれの違いや特長をご理解頂けましたでしょうか。

ドレッシーなスタイルにするならシングル、モーニングカット。

ビジネスやカジュアル感のあるスタイルにするならダブル。

スタイルで大まかに分けるとこうなりますが、オーダーの際は生地のウエイトや色柄、着用目的によって使い分けされてみてくださいね。

 

今日もROAD OF STYLEブログをお読みくださり、ありがとうございます^^

 

 

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