
こんにちは!ROAD OF STYLEブログ管理人のYuukiです。
まだ日本では認知度が低いイタリア・ナポリの生地メーカー「ARISTON(アリストン)」
イタリアではゼニアやロロ・ピアーナのように有名なのですが・・・
日本では限られたテーラーしか取り扱いが許されていない為、人と被るのを避けたい人には特にオススメです。
そんなアリストンの生地を、去年12月に注文しておりました。
ちなみに「VIVALDI 160’s(ヴィヴァルディ)」というクオリティーです。
無事に在庫確保してもらえ、待ちに待った納品が届いたのでご紹介させて頂きますね^^
目次
VIVALDI 160’sについて

アリストンの春夏シーズンに展開されるクオリティーで、スーツ生地の中ではトップレンジの質を誇ります。
Super 160’s(スーパー160と読む)の細い原毛を使った糸で織られており、美しいツヤと滑らかな肌触りが特長的です。
特長①4シーズン対応

写真のエンジ色の生地耳部分に
「VIVALDI FOUR SEASON(ヴィヴァルディ・フォーシーズン)」と表記されています。
FOUR SEASONは名前の通り4シーズンを指しており、
「この生地は通年着用に向いてますよ」という意味です。
※生地の重量は240~245gmsで、重量を見ると日本の冬には少し厳しい生地感ですので、現実的には春夏秋3シーズン向きですね。
VIVALDIが何なのか?というところですが、これは「四季」を表していると思われます。
ヴェネツィア出身の作曲家、アントニオ・ヴィヴァルディの楽曲「春」「夏」「秋」「冬」の総称が「四季」
ここから4シーズン対応という事で、VIVALDIというネーミングになったと思われます。

もう1つ、アリストンの織りネームには
「Super 160’s Doppio Ritorto(ドッピオリトルト)」とありまして、
これはSuper 160’sウールのタテヨコ双糸を意味しています。
双糸というのは、2本の単糸を撚って1本にした糸の事。その糸をタテ方向・ヨコ方向どちらにも使っているという事です。
イタリアのスーツ生地はタテ方向が双糸、ヨコ方向が単糸で織られている事が多いので、タテヨコ双糸というのは少し珍しい部類です。
繊細なSuper 160’sウールですので、生地の耐久性を高める点も含め、タテヨコ双糸の方が日本での着用に合っていますね。
イタリアと違って日本は雨も湿気も多い為、タテヨコ双糸の方が型崩れしにくく、普段使いしやすいのでありがたいです(その分高くなりますが、泣)
特長②Super 160’sウール

細い原毛を使って1本の糸を作っている為、織り上がった生地の手触りはとても滑らか。
ものすごくサラサラしており、まるで女性の髪の毛を撫でているのかのようです(笑)
トラウザーズの肌へのタッチも心地よく、スーツは「何よりも着心地を重視したい!」という方にオススメです。
生地表面にはキレイなツヤが出る為、動いた際にできる生地のドレープが美しく見え、上品な印象を感じさせてくれます。
但しその反面、生地の耐久性が弱いというデメリットを抱えています^^;
もちろんタテヨコ双糸ですので、ある程度耐久性は確保されてはいますが、それでも週に何度も着用するのはオススメできません。
あくまでローテーションの1着として使い、1日着用したら2~3日休ませるのが望ましいです。
※普段スーツ着ないけど、月に数回だけ着るよという人に適していると思います。
尚、既製品ではSuper 160’sクラスの生地は、滅多に使われません。
これは耐久性の面と、価格が高くなり販売が難しい点を懸念しているからでしょう。
それゆえに出来上がるスーツは格別の高級感があり、それを着て過ごす1日には特別感がありますよ^^
アリストンの生地という個性も希少性がありますしね!
特別感があるという点では、ディナージャケット(タキシード)に仕立てるのも良いかもです!
特長③シャークスキン(綾織り)

今回僕が選んだ生地の色柄は、グレーのシャークスキンです。
「サメの肌」という意味で、サメの皮膚のように斜めに入った細かいジグザグの線が特長的な柄です。
これは綾織りで織られています。
綾織りで織られている為、特長②で挙げたように肌触りが滑らかで、生地表面にキレイなツヤが出ます。
着用によるシワは、平織りと比べれば入りやすいのですが・・・
これは逆に見ると「シワが抜けやすい」という優位点。
アイロンのスチームで簡単にシワを取り除くことが可能です。またクリースの復元も簡単ですよ^^
適度な着用ペースを守り、定期的にアイロンでお手入れをしてやれば、清潔感ある見映えをキープ可能です。
余談:シャークスキンが逆綾に見えるワケ

ところで綾織りは、生地の綾目が「右上から左下」に通るのが一般的なのですが・・・
シャークスキンの綾目は「左上から右下」に通って見える事が多いです。これずっと何でなんだろう?と疑問でした^^;
シャークスキンは組織としては2/2の綾織りなのですが、
どうやら2色の糸が1本交互にタテヨコ共に配列されている為、左上から右下に向かった柄が表れているように見えるようです。

出典:繊維/テキスタイル・織物名称|繊維業界検索なび「SENI-SEARCH.JP」
これがシャークスキンの織り目です。

出典:繊維/テキスタイル・織物名称|繊維業界検索なび「SENI-SEARCH.JP」
グレーとブラックの糸が1本交互に配列されています。タテ方向もヨコ方向もです。
それがわかったら、次はグレーの糸だけ見て下さいね。
グレーのヨコ糸が左から右に向かっていて、途中でグレーのタテ糸とぶつかりますよね?それによってグレーのジグザグができているんです。
左上から右下に向かった柄に見えてきませんか?
これがシャークスキンの綾目が逆に見えるマジックです。
VIVALDI 160’sは4シーズン対応生地の中で、着心地を重視したい方向けです
長くなりましたが、VIVALDI 160’sの良さをご理解頂けたでしょうか?
もう一度ポイントをまとめますね。
- 4シーズン対応、季節を問わず着用しやすい
- Super 160’sウールで着心地がとても良い
- トラウザーズの肌へのタッチが心地よい
- Super 160’sウールという特別感(既製品ほぼなし)
- タテヨコ双糸で型崩れしにくい
といった優位点を持っています^^
Super数値が高いウールのスーツは本当に着心地が良く、一度着ると忘れられない心地よさなんです。
4シーズン対応の生地はたくさんありますが、Super 160’sウールという個性を持った生地・・・となるとVIVALDI 160’sがオススメです。
来月にはアリストンの2020年春夏生地がテーラーで見られると思いますので、ぜひチェックしてみてくださいね!
生地の手触りは、まるで女性の髪の毛を撫でているのかのようなサラサラ具合ですので(笑)
今日もROAD OF STYLEブログをお読み下さり、ありがとうございます^^