
こんにちは!ROAD OF STYLEブログ管理人のYuukiです。
父が永眠した日からちょうど1か月が経ちました。毎朝、祭壇にお線香をあげたり、お供え物のお膳を用意しています。
その傍ら、役所関係の手続きや保険・相続等の手続きをほとんど終え、次はお墓をどうしようか?というところ。
こうして振り返るとあっという間の1か月でした。
さて、こうしたライフイベントがあったので、最近は喪服の仕立てを検討しております。
これから法事等で着る機会が出てきますし、必要な時に毎回レンタルするのも大変ですしね(汗)
という事で今回は備忘録も兼ねて、喪服の仕立てについて書いていきます。
ちなみに冠婚葬祭はブラックスーツが1着あればいい、と言われていますが・・・
結婚等の「よろこびごと(慶事)」に着ていく服装と、葬儀に関した「かなしみごと(弔事)」に着ていく服装は、
どう考えても一緒にしてはいけませんよね^^;
まあ大きな法人や公的組織等の慶事・弔事でない限り、一般の人がとやかく言われる事はあまりないと思いますが・・・
慶事では、お祝いする相手への礼儀。
弔事では、哀しみの心を表すことが第一に求められます。
ですから慶事用と弔事用、1着ずつ用意しておくのがスマートではないでしょうか。
目次
①喪服の仕立てに選んだのは「タキシードクロス」

今回選んだのはこちらの漆黒のタキシードクロス。児玉毛織の定番生地です。
喪服に使う生地は「ツヤ感がないマットな漆黒」じゃないといけません。
補足:児玉毛織について
高級フォーマルのトップメーカーとして、礼服地を製造しているのが「児玉毛織」です。
「終始一貫して価値ある高級服地の創造に努力すること」を企業理念に、高級服地に取り組んでいます。
1917年創業と長い伝統の技術に支えられつつ、先端技術を使った新しい素材の開発にも注力。
ほこりのつかないタキシードクロスや、シワになりにくいモヘアバラシア、究極の黒を追求したウルトラブラック等の製品を開発しています。
これらの生地はとても仕立て映えが良く、テーラーや海外のラグジュアリーブランドにも高く評価されています。

この生地はウール100%、重量350~390gmsと糸の打ち込みがしっかりしています。
高密度な織り物で仕立て映えしますし、撥水・静電防止加工で汚れやほこりがつきにくいんですよ^^
秋冬用とあるように真夏に着るのは確かに暑いのですが、お通夜は夜ですし、葬儀や法事は室内で行うので僕は問題ないと捉えています。
ちなみにウールは熱伝導率が低いので、外気の暑さや寒さが伝わりにくいです。
仮に動いて暑く(寒く)なっても、空調あるところに行けば対応できます。冬はコートを羽織れば良し。
それよりもインナーが透けない生地感であること、長時間座ってもシワになりにくいことを優先させました。

生地の織り目はこんな感じです。
大きな横畝が入っているように見える点がタッサーに似ていますが、タッサーは厚地のポプリン(平織り)です。
タキシードクロスは朱子織(しゅすおり:綾織りの変形)
名前でディナージャケット(タキシード)用に思われますが、礼服にも使える生地です。
ツヤ感があればモーニングコートやディナージャケットに、ツヤ感がないマットな生地感であれば弔事用のブラックスーツに使えます。

この写真は上がタキシードクロス、下がバラシアです(※黒の深さの違いがわかるように撮影したら、織り目はボヤけてしまいました^^;)
タキシードクロスの方が深い漆黒ですので、弔事用に最適ですね。
バラシアはほのかにツヤ感があるので、どちらかといえば慶事向き。結婚式にゲストとして参列する時のブラックスーツに使えます。
礼服地にもいろんな生地があって、それぞれ着用に適したシーズンや場面(慶事か弔事か)があるんですね。
②タキシードクロスに合わせるボタンと裏地

ボタンはナットボタンを選びました。
ウォールナットという家具等にも使われる木のボタンですね。
ホーン(水牛)ボタンも良いのですが、ナットの方がより素朴で生地に馴染むので選びました。
尚、弔事では光りものは避ける必要があるので、天然の貝ボタンや七宝ボタン、メタルボタンは使えません。殺生を連想させる革ボタンも控えましょう。

裏地はポリエステルの黒無地。
「え?キュプラじゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんが・・・
キュプラだと光沢感が強いので、弔事用にはオススメしかねます。
ポリエステルの方が光沢感が控えめですので、表地のマットな生地感と合いやすいです。
ちなみにフレスコ等の平織り生地でスーツやジャケットを仕立てる時も、僕はポリエステルの裏地を使っています。
同じ理由でマットな生地感と合うからです。
「裏地はキュプラが良い」という意見は別に間違いではないですが、かと言ってすべての生地に対してベストというワケでもないんです。
③喪服なので「ノーベント」に
喪服の詳しいディティールについては、出来上がった現物を撮影して紹介したいと思います。
まあばっくり言うと、ジャケットが
- シングル3つボタン段返り
- ノッチドラペル
- 「ノーベント」
トラウザーズは
- ベルトレス仕様
- 2リバースプリーツ(2アウトプリーツ)
- シングル裾仕上げ
- ピスポケットは右のみ
といった感じで作ります。
重要なのはフォーマルウェアは「ノーベント」という点。
ジャケットの後ろ裾には切れ込みを入れません。
それは良いとして、ベントを入れない時の問題は腰囲(裾周り)のフィッティングです。

出典:ビジネスは第一印象が重要!好印象を得るための「着こなし」│キャリアカーバー
ジャケットの腰囲が不足していると、写真のようにベントが開いてしまいます。
これはエレガントではないですよね・・・
では、もし不十分な腰囲でノーベントにしてしまうとどうなるか?(ゾゾゾ~~^^;)

出典:お葬式やお通夜の服装~スーツやコートNGポイント | 【公式】スーツスタイルMARUTOMI 本店サイト/紳士服のオンラインショップ
ジャケット前側の裾がガバーっと開いてしまったり、打ち合いやラペルが変に浮いてシワくちゃになってしまいます。
ですのでノーベントで仕立てる時は、必ず腰囲が適正か?チェックする(してもらう)事をオススメします。

写真のスーツはサイドベンツなんですが、腰囲が適正に取られているのでベントが開いていません。

前側も極端な裾の開きがありません。
ノーベントで仕立てても、こんな感じで腰囲がキレイに収まるようにしたいですよね。
それでは出来上がったらご報告します!
以上、喪服の仕立てについてのメモでした。
サイズもフィット感も問題ない物があれば、既製品でも良いのですが、
僕はジャケットが42サイズ、トラウザーズが46サイズと2サイズも離れているので、仕立てないと無理なんです(泣)
今までは喪服を着る機会が幸いにもなかったので、気にする事はなかったのですが、突然必要になるタイミングが来るのが人生。
僕の場合は父の永眠というライフイベントがキッカケとなりました。
父に安心して眠ってもらう為に。また、一社会人として相応しい振る舞いをする為に・・・
きちんとした喪服を準備します。
出来上がったらご報告しますね!
あとVBC生地のカジュアルセットアップ。もちろん完成しているので報告記事アップします。葬儀関連でバタバタして、完全に後回しになってました(汗)
VBC(カノニコ)の4PLY生地でセットアップを作ってみます!の記事で書いた分です。
それでは今日もROAD OF STYLEブログをお読みくださり、ありがとうございます^^