
こんにちは!お洋服ブロガーのゆうきです。今回の記事は、
- 21マイクロンウールについて知りたい
- 21マイクロンとSuper表記ウールの違いを知りたい
- VBC(カノニコ)の21マイクロンってどんな素材?
といったご要望・疑問をスッキリさせられる内容となっています。
簡単に言うと「マイクロン」は原毛の太さを表す単位で、スタイル選びの目安です。
(※マイクロン:マイクロメートルのこと)
市販のスーツが17~18マイクロンくらいの原毛を使っている事が多いので、それと比べると21マイクロンは太い部類に入ります。
イタリアの生地メーカーVBCが力を入れている事もあり、その名を知った人も多いのではないでしょうか?
今回は21マイクロンウールの特長を紹介すると共に、Super表記ウールとの「良さの違い」について解説しています。
この記事を読むと21マイクロンウールを使った生地の良さを知れますよ^^
記事の信頼性

筆者は「テーラー限定のVBCファブリックアカデミー」を受講し、修了証を受領しています。
21マイクロンウールって何?
「太さが21マイクロメートル(0.021mm)」のウール原毛です。
目視できない細さなので、裾幅17cmと21cmのスラックスをイメージしてみてください。

・・・太さが違いますよね?
17マイクロンと21マイクロンも同様に太さが違うワケです。
太い原毛を使用 → 糸も太くなるので、織られる生地も肉厚で丈夫になります。
21マイクロンウールで織られた生地の良さ
弾力や張りのある太い糸を作れる為、21マイクロンウールで織られた生地は
- 耐久性が高い
- 防シワ性に優れる
- ドライな手触り
- 軽量でも生地の安定性が高い
- 仕立て映えしやすい(見た目が美しく、着やすい)
といった良さを持っています。
薄くて繊細な原毛を使った生地とは「また違った良さを持っている」んですね!
特に仕立て映えしやすいのは、着こなしにこだわる人には嬉しい良さのハズです。
Super表記の意味

スーツ生地でよく見かける「Super表記」
これもウール原毛の太さを表すものです。

Super 110’sが直径17.76~18.25マイクロン(平均18マイクロン)
Super表記は「数値が10’s増えると直径が0.5マイクロン細く」なります。
→ Super 120’sが直径17.26~17.75マイクロン(平均17.5マイクロン))
Super 150’sまでくるとカシミヤ相当。非常に細いウール原毛と言えます。
逆に数値が10’s減ると直径が0.5マイクロン太くなります。
この要領で考えると、21マイクロンはSuper 50’s相当と考えられます。

そりゃ糸の弾力や耐久性が高いワケですね^^
VBCの21マイクロンウール生地
21マイクロンウールを使った生地作りに力を入れているVBC。
いくつか種類がありますのでサクッと紹介しますね。
①6PLY(シックスプライ)

最大限のシワ防止効果と、迅速な回復力を持つ生地です。
重量510gmsのヘビーウエイト。抜群の仕立て映えを見せてくれます。
リリース初期、RING JACKETがダブルブレザーに採用して注目を集めましたね。
②SPRING 4PLY(スプリングフォープライ)

ふっくら厚みがありますが、通気性にも優れている春夏秋3シーズン対応生地。
出張や旅行用ブレザー、単品トラウザーズにもオススメです。

僕はこの生地でブレザーを仕立てました^^
③COVERT(カバート)

急傾斜の綾目が特長的な生地。絶妙なメランジ感が味わい深いですね。
オリーブグリーンやブラウンといったカントリーテイストある色調も魅力。
④SUPER BIO(スーパービオ)

信頼感を与える控えめなデザインは、クラシックなスタイル作りにオススメ。
しっかりとした生地感、流行に左右されないタイムレスエレガンスな色柄が魅力。

後ほどSuper表記ウールとの比較で紹介しますね^^
⑤SUPERSONIC(スーパーソニック)

軽量ながら生地の安定性が高く、通気性にも優れるクールビズにオススメの生地。
特に単品トラウザーズとして非常に使い勝手が良いです。
※RUSTIC TROPICAL(ラスティックトロピカル)の呼称を採用しているバンチブックもあります。
⑥MONTECARLO(モンテカルロ)

3Dホップサックという粗い織り目のジャケット用生地。
春夏用や旅行用ジャケットに多用されています。VBCの世界的トップセラーの1つ。
BEAMSやタリアトーレ、T-JACKETといったブランドも採用していますよ。
⑦BEAU SOLEIL(ボーソレイユ)

「美しい太陽」という意味の秋冬用ソラーロ(サンクロス)
21マイクロンウールをタテ糸・ヨコ糸ともに54番手の双糸にして織り上げた生地。
ヘリンボーンの玉虫効果により、青紫を帯びたベージュがエレガントです。
21マイクロンとSuper表記ウール 良さの違い
21マイクロンウールの良さを理解する為、Super表記ウールと「良さの違い」を比較していきます。

- SUPER BIO:21マイクロン
- PERENNIAL(ペレンニアル):18マイクロン
PERENNIALのイメージは、市販のスーツで見かけるツルっとした柔らかいスーツ生地という風に捉えてください。
①織りの表情が大きく力強い印象

21マイクロンのほうが糸が太い為、織りの表情が大きくなっています。
かすれたタッチのストライプも太くなっており、より力強い印象を感じさせますね!
正々堂々とした雰囲気に見え、相手に信頼性を与えやすくなります。
Super 110’sウールは柄が控えめで落ち着いた印象ですね。
②頑丈で耐久性が高くなる
21マイクロンのほうが糸の耐久性が高く、厚みのある生地に仕上がっています。
その為、膝が抜けにくいですし、摩擦による擦れにも強いです。
長期間着用できるスーツが欲しい時にオススメです。

21マイクロン使用のSUPER BIOは重量360gms(※1m辺りの重量)
これは秋冬向けの重量。非常にSPRINGY(弾力性が高い)

Super 110’sウールは重量260gms。
真冬はさすがに寒く感じますが、オールシーズン着用できるのが優位点です。
(※PERENNIAL:四季を通じて続くという意味)
③仕立て映えしやすい

21マイクロンは生地の張りが強く、着用時の見映えがキレイに見えやすいです。
生地が上から下へ落ちやすい為(※落ち感が強い)、全身のシルエットも美しく見えやすいですよ。

写真みたいにクタっとしていると見映えが良いとは言えませんよね(汗)
余分なシワが少ないほうが見映えが良いですし、清潔感を感じます。
見映えを重視したい時は、21マイクロンウールは有力候補となるでしょう。
21マイクロンはスタイル選びの目安です
「男性らしい力強さ、丈夫さ、仕立て映えの良さ」を重視するなら21マイクロン。
「キレイなツヤ感、年中着用、柔らかい着心地」を重視するならSuper表記ウール。
それぞれ良さが違うので、作りたいスタイルに合わせて選ぶようにしましょう。
今回の記事があなたのスタイル作りのお役に立つと嬉しいです。
最後までお読みくださり、ありがとうございます^^
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