
こんにちは!お洋服ブロガーのゆうきです。
今回は立ち姿を力強く見せるチョークストライプのスーツ製作報告です。
テーラーが生地の上にチョークで描いたような、かすれた線が特長的なストライプ。
英国では銀行家(Banker)が好んで着用する事から、バンカーストライプとも呼ばれます。
彼らは「無地と比べて高価なスーツを買える」という実入りの良さを示す為に、この柄を好んで着用するようです^^
今回は仕立てたスーツを事例に、チョークストライプスーツがどんな印象に見えるか?を紹介します。
この記事を読むと、チョークストライプスーツの印象や着こなし方を知れますよ。
使用生地:SUPER BIO(スーパービオ)

イタリアの服地メーカー VITALE BARBERIS CANONICO(ヴィターレ・バルベリス・カノニコ)
秋冬向けのスーツ生地「SUPER BIO(スーパービオ)」です。
太くて丈夫な糸で打ち込まれた生地はシワに強く、非常に仕立て映えしやすいです。
チョークストライプの印象

チョークストライプは縞の太さやピッチ幅(縞の間隔)によって印象が変わります。
縞が太くなるとより力強さが増し、逆に細くなると控えめで上品な印象に。
そしてピッチ幅が広くなると着用者の体格を大きく感じさせますよ。
①立ち姿をキレイに見せる

立ち姿をキレイに見せる英国的なスタイルで仕立てました。
ジャケットに厚めの肩パット・垂れ綿を入れ、肩が逞しく見えるようにしています。
上半身が貧相に見えないので、痩せ体型カバーに効果的ですよ。
極端なシワがないと、上から下へ流れるストライプがキレイに見えますね。
ストライプの縦長効果が活きるので、身体の横の広がりが目立たずスマートな印象を感じさせてくれるでしょう。
(※あ。僕はO脚なのでトラウザーズのラインは要改善ですね^^;)
着丈は黄金バランス(総丈の2分の1)に設定。
英国ビスポークの「立ち姿をキレイに見せる」という考え方にならい、カラダを長く見せるシルエットにしました。
②ブレイシーズで吊る

スーツは肩で着るお洋服ですから、ブレイシーズ(サスペンダー)で吊るスタイル。
ベルトを巻くと身体のラインが上下に分断され、タテの線がうまく強調されません。
→ つまり胴長短足に見えてしまうという事(汗)
これはストライプの良さを殺しているようなものなので、ぜひともブレイシーズで吊る事をオススメします。

ピスポケットは利き手側のみ。
これもビスポークの「シルエットを美しく見せる」という考え方にならっています。
それにポケットは生地に穴を切って付ける為、耐久性が落ちてしまいます^^;
僕は右利き。そして汗っかきなのでハンカチ必須。
見映えの美しさと実用性を考えて、ピスポケットは利き手側のみです。
③ボタン・裏地はシンプルに

本水牛のツノで作られたボタンです。
クラシックな色柄のスーツに華美なボタンは似合いませんよね。
ちなみに一番上のボタンホールだけ「穴が開いていません」
これは将来子供に受け継いだ時に袖丈を長くできるようにする、というヨーロッパの伝統を反映させた仕様です。
英国スタイルのスーツには仕込んでおきたい仕様かなと(服バカ、笑)

裏地はチャコールグレー無地。
光沢感を抑える為、ポリエステル100%にしています。
裏地の耐久性や手入れのしやすさ、表地のツヤ感とのバランスを考えると、僕はポリエステルを選ぶ事が多いですね。
チョークストライプスーツのVゾーン例
今回製作したスーツを使ったVゾーンの事例を紹介します。
参考程度にご笑覧いただけると幸いです。
①ドットタイで王道のスタイル

これぞまさしくROAD OF STYLE(王道のスタイル)
ネクタイは無地や小紋柄もOKです。
僕はドット柄が一番しっくりくるので、よく合わせています。
どんな人にも悪印象を与える事はないので、毎日いろんな人と会う営業パーソンにオススメです。
②水色シャツで柔和な印象に

水色シャツを合わせるとコントラストが和らぎ、柔和な印象に見せられます。
さらにお顔映りを明るく見せる効果もある為、爽やかさと清潔感もアップ!
柄に水色が使われているネクタイでカラーリンクさせれば、Vゾーンのまとまりも良くなります。
ちなみに、英国ではバンカーストライプに白シャツは新人が着る色とされていますので、20代は白シャツ。
シャツの色が濃くなればなるほどベテランの装いですので、30代以上の人はその辺りを参考に選ぶのも粋です。
③英国カントリーで男クサく着る

冬はバブアーのオイルドジャケットを羽織って、男クサく着たいですね。
すいません。これは純粋に僕の好みです^^;
今回チャコールグレーを選んだのは、バブアーとの相性を重視したから。
相手にどんな印象を与えるか?も大事ですが、「着た時に気分が高まるか?」も大事ですよね?ね!
オマケ:前職の体験談
販売の仕事をしていた時に、出勤する度にその日のスタイルを記録していました。
最も生産性が高いスタイルを知る為です。
つまり「どう着れば売上を伸ばせるのか?」
ダントツ1位がネイビー無地スーツのスタイルで、1日の売上記録更新をする時は決まってネイビー無地スーツでした。
ネイビーヘリンボーンやブルー無地、プリンスオブウェールズ、ブレザー等。
いろんなスタイルを試してみたんですけど、ずーーっとネイビー無地の無双でした。
もう不動の4番。貫禄のホームラン王です(笑)
・・・が、その牙城を唯一崩したのが「チャコールグレーのチョークストライプ」なんです。
ある日、売上をグーンと伸ばす満塁ホームランと3ランホームランを2発連続で放ち、1人で10得点。
その金額は店の1週間分の売上(!)
10時間×7日で達成する金額を、わずか2~3時間で達成しました。
20万円近いアウターをご購入いただいたお客様に、追加で42万円のダッフルコートもご購入いただけたりと、自分でもビックリな実績でした。
そんな成功体験をさせてくれたチョークストライプ。
着用者を力強く見せる効果で、お客様に説得力や自信を感じさせたのでしょう。

だからまた着たくなって仕立てたワケです^^
チョークストライプスーツで信頼感を獲得しよう
数あるストライプの中でも、特に存在感の強いチョークストライプ。
適度なゆとりを持たせたシルエットにすることで、タテの線が強調され、立ち姿を力強く見せてくれます。
体格を貧相に見せたくない人、自信ある印象に見せたい人は、ぜひ着用を検討してみてくださいね。
相手に信頼感を与えやすい柄ですので、無地に次ぐビジネススーツにオススメです。
最後までお読みくださり、ありがとうございます^^
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