
こんにちは!お洋服ブロガーのYuukiです。
いつもブログを見てくださり、ありがとうございます。
普段の記事には書かない独自の視点や、個人的に良かった体験談等をシェアする「FITTER EYES:服バカの遺言」チャプター9です。
先日、ジャケパン用のチノパンを仕立ててみては?ワイドチノもおもしろいという記事を書きました。
この記事でラルフローレンのワイドチノを取り上げたのですが、
ふと「これってO脚をカバーするのにも使えるんじゃないかな?」と思い立ちました。
そういえば以前、BEAMSの中村さんから次のコメントを頂いた事があります。

「内外のバランス、ふくらはぎのボリューム、膝幅の太さ、色々ありますが、
最も基本的な事はある程度ラインが太くないとO脚はカバーできないですよね」
中村さん自身もO脚と公言されていますので、とてもありがたいコメントでした。
※2019年12月の事です。その節はありがとうございました!
MTMにはO脚補正があるのですが・・・
これはクリースが外側に逃げないよう微調整する程度で、残念ながら脚のラインが真っ直ぐ落ちるような効果は期待できません。
その為、O脚をカバーするには脚のラインを太くする事が基本になるワケです。
という事で、今回の服バカの遺言は「対O脚仕様のワイドチノ作り」
対O脚仕様に使える生地の選び方と、シルエットについて書いていますので、ぜひご笑覧くださいね^^
対O脚仕様のワイドチノ作り
対O脚仕様のワイドチノ作りでは、次のポイントを押さえるようにしましょう。
- 重たい生地を選ぶ事
- 膝幅を広くする事
それでは1つずつコメントしていきますね。
ポイント①重たい生地を選ぼう
座ったり階段を上り下りしても、ある程度は形が崩れない肉厚な生地をオススメします。
チノパンの素材であるコットンは「ウールのように自力で元の形に戻ろうとする性質を持っていない」からです。
肉厚な生地はシワが多少入っても脚のラインが崩れにくいので、O脚カバー効果を維持できますよ。
具体的にどんな生地を選べば良いのか?事例をご紹介しますね。

イタリア ナポリの生地商社「ARISTON(アリストン)」のヘビーギャバジンです。
ARISTONは日本では知名度が高くないですが、本国ではゼニアやロロ・ピアーナよりも有名だそうです。
Super 160’sのようなエレガントな生地を作る一方で、英国的なコットン生地なんかも販売していたりします。
1.重たい生地は落ち感が強い

1mあたりの重量495gと、なかなかの重量感がある生地です。
ご参考に冬物のスーツ生地が370~390g、細い畝のコーデュロイで470gくらい。
夏は暑くてムリ!って声を上げてしまうような、肉厚でゴリゴリとした生地です。
重たい生地の優位点は「落ち感が強い事」
カンタンに言うと、生地が靴に向かってキレイに伸びやすい(落ちてくれる)という事です。
脚の付け根や膝裏にシワが入っても、ある程度は生地が落ちやすいです。
2.分厚い生地は膝が抜けにくい

膝が抜けるというのは、膝の生地が伸びてポコッと膨らんでしまう現象。
写真左側の状態ですね・・・こうなるとO脚が悪目立ちしやすくなります。
横から見た時も膝だけ膨らんでおり、見た目の清潔感が半減してしまいます(汗)

出典:Twitter
先日コラボ企画をさせて頂いた繊維製品品質管理士(TES)のTにぃさん情報です。
膝が抜けることを専門用語で「バギング」と言うそうです。いつも勉強になります!

ワイドチノでも膝に負荷がかかり続けると、膝が抜ける可能性があります。
それをなるべく防ぎたい人は、膝が抜けにくい厚手の生地を選ぶほうが良いでしょう。

折り畳んでいるとはいえ、異次元の分厚さですね(笑)
ポイント②膝幅を広くしよう
O脚をカバーできるワイドシルエットの要は「膝幅の設定」です。
一般的なテーパードシルエットは膝の実寸に対して、平置きで+2~3cmくらいのゆとりを入れます。
ですがO脚の人にはゆとりが足らず、ふくらはぎ外側が生地に当たってしまう場合がほとんど。
それを回避するには思い切った膝幅の設定がポイントですよ。
シルエット事例を2つ挙げますので、参考になさってくださいね。
1.ボンタンシルエット

参考:大人トラッドなボンタンフォルムは、 実は美脚パンツでもあります!
ビジネス・カジュアル兼用したい人向けのシルエットです。
膝幅26cmと広く取る事で、O脚をキレイに隠す事ができていますね。
裾幅はテーパードと同じ18cmと急激に細くなる為、ふくらはぎが発達されている人はやや注意ですが^^;
ワイドシルエットに慣れていない人でも違和感なく取り入れやすいでしょう。
2.ストレートシルエット

出典:ビームス 新丸の内(400986) スタイリング・コーディネイト|BEAMS
カジュアルメインで穿きたい人向けのシルエットです。
膝幅は推定28cm(※商品情報に表記ない為)、裾幅23.75cmで、O脚はもちろんふくらはぎの膨らみも隠す事ができます。
ふくらはぎに生地が当たらない → 膝抜けのリスクも低減するので、ボンタンシルエットよりもO脚カバー効果が高いと言えます。
股上も深く取って、Aラインシルエットになるように設計すると良いでしょう。
ワイドチノでO脚をカバーしよう
対O脚仕様のワイドチノを作る際は、
- 重たい生地を選ぶ事
- 膝幅を広くする事
これらのポイントを押さえるようにしましょう。
重たい生地は落ち感が強いですし、厚みもあるので膝が抜けにくい。
その生地を使ってボンタンかストレートシルエットにすれば、O脚をカバーできるチノパンになりますよ。

僕もARISTONのヘビーウエイトコットンで、対O脚仕様のワイドチノを作ってみますね。
デニムシャツと合わせたり、バブアーと合わせて男クサいスタイルを楽しもうと思います。
以上、服バカの遺言でした。
P.S.2021年7月29日追記。
ワイドチノが出来上がったのでレポート書きました。
最後までお読みくださり、ありがとうございます^^
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