
こんにちは!お洋服ブロガーのゆうきです。
いつもブログを見てくださり、ありがとうございます。
今回は「着られる宝石」というテーマで生地を紹介いたします。
先日見学した滋賀県守山市のオーダースーツ店、DAVID LAYERさんで見させていただきました。
「生地の世界にはこんなのもあるんだな」くらいの、カジュアルな気持ちでご笑覧いただければ嬉しいです^^
Blue Sapphire(ブルーサファイア)

英国の服地商社HOLLAND & SHERRY(ホーランド&シェリー)の
「Blue Sapphire」というラグジュアリーなスーツ生地です。
この生地は、Super 200’sウールの非常に微細な原毛を用いて糸が作られています。
手触りは人間の肌以上になめらか。
シャツ生地よりも薄いんじゃないか?と感じるくらいスマートな生地でした。
1mあたりの重量は180~220g、スーツとは思えないほど軽やかな着心地が得られるでしょう。

Super 200’sウールはヴィキューナ(平均11~14マイクロン)にやや近い細さ、平均13.5マイクロンです。
(※マイクロン:マイクロメートルのこと。0.001ミリメートル=1マイクロメートル)
カシミヤが大体14~16マイクロン。カシミヤより細い時点でスペシャルなウールと言えますね。
・・・せやかてSuper 200’sウール原毛を用いた生地は、探せば他にもあるワケで。
例えばロロ・ピアーナが好例でしょう。
それでも僕がこの生地が「ユニークでおもしろいな」と感じたのは、
ウール原毛にブルーサファイア粒子が埋め込まれているからです。
ウール原毛にブルーサファイア粒子

↑Blue Sapphireのリーフレットより。
“Magnification of wool fibre embedded with sapphire particles”
- Magnification:拡大図
- wool fibre:ウール繊維
- embedded:埋め込んだ
- sapphire particles:サファイア粒子
→ まとめると”サファイアの粒子を埋め込んだウール繊維の拡大図”
パッと見で直接識別することはできませんが、
ウール原毛を顕微鏡で見ると、ブルーサファイア粒子が埋め込まれているとの事。
最初この話を聞いた時は、ぶっちゃけ「そ、そうなんや」くらいの感想でした(笑)
でも、よくよく考えるとスゲェな!と。
粒子状のサファイアをウール原毛に絡め、それで糸を作って生地を織ろうという発想ですよ?
アタマおかしいやろって(※褒めています)
生地が持つ夢やロマン
どういう経緯でアイディアが生まれたのか?
そして、このブッ飛びすぎてクレイジーなアイディアをよく実現させたよなぁと。
この生地が生まれるに至ったモノ作りの姿勢というか、意気込み、エネルギーは賞賛に値するでしょう。
だって利益だけを追い求めていたら、ゼッタイに生まれなかったと思うんですね。
あなただったらやりますか?
粒子状のサファイアをウール原毛に絡め、それで糸を作って生地を織るというアイディアを。
「そんなん売れへんやろ?」「誰が買うんだろう?」とか考えてしまいませんか?
僕はどういう人が買うんだろう?って考えてしまいました。
それがリアルと言うか、一般的な感覚かもしれませんが・・・

だけど夢がないよなって^^;
あ。やるかやらないか?は一旦置いといて。
「こんな生地があったらイケてんじゃね?」
「どこにも真似できない生地を作ってやる!」
みたいな発想力とか意気込みがある人って、人として魅力的だなぁと思うんですね。
Blue Sapphireという生地は、そんな魅力を示唆している生地なんです。
Super 200’sウールの高級素材だとか、サファイアが埋め込まれているとか、
これらもスペシャルな特長なのは間違いないでしょう。
でも、そういったスペック以上にスゲェところがあります。
この生地が生まれるに至ったモノ作りの姿勢、意気込み、エネルギーです。
一見するとクレイジーなアイディアだけど、そこには目に見えない夢とかロマンがあるんですね。
それを本気で追いかけ実現させたというストーリー。
これが着る人に大きなチカラを与えてくれると、僕は考えています。
ただ正直なところ、この生地でスーツを仕立てる人は少ないでしょう。
この生地でオーダーを受注できるフィッターも少ないと思います。
それは生地をスペックで比較するから。
夢やロマンではなく、(良くも悪くも)現実的に考えて選択・提案するからです。
(※念の為、それがダメだという主張ではありません)
おカネとか実用性を考えたら、Blue Sapphireは庶民には贅沢品なんですよ?
あるとゴキゲンになれるかもだけど、別になくても困らない。フキゲンになるワケでもない。
だから欲しいと感じる人、受注できる人は限られてしまう。
それは自然なことでしょう。
それでもBlue Sapphireが存在する意味。
それは先ほど書いた通り、この生地が生まれるに至ったストーリーであったり、
クレイジーなアイディアを実現させようとした人の想いではないでしょうか。
そこまで想像し、共感できる人じゃないと、
この生地を見て心が動くことはないんじゃないかと思いました。
着る人にチカラを与えるモノ
というワケで、久々に暑苦しい内容となりました(笑)
スペックも大事だけど、それ以上にストーリーが大事。
だって着る人にチカラを与えるのは、スペックではないと思うからです。
Blue Sapphireを見て感じた事は以上です。

P.S.Blue Sapphireに興味が湧いた人へ。
滋賀県守山市にあるオーダースーツ店 DAVID LAYERさんが取り扱っていますよ。
新店舗見学のレポートを書いているので、ぜひこちらもご笑覧くださいね。
最後までお読みくださり、ありがとうございます^^
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